鍼治療について

鍼治療について

脳梗塞に特化した「醒脳開竅法」という鍼治療法に、より効果を高めるために当施設が独自に改良を加えた、

全く新しい鍼治療法「醒脳開竅Plus」を行います。

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醒脳開竅法とは?

醒脳開竅法は、中国天津中医薬大学第一付属医院院長の石学敏教授が考案した脳血管障害の後遺症に対する鍼治療法です。

脳卒中 発症までの流れ

中医学と西洋医学の脳卒中に対する認識はとても似ています

“醒脳開竅法”の3つの特徴

1.厳格に決められた配穴
  • 鍼治療は、患者様に合わせたオーダーメイド

    治療と言われています。

    しかし、施術者によって効果に大きな差が

    出たり、安定した効果(「効果の再現性」

    とも言います)が得られないといった問題が

    起こります。

    効果の再現性は医療の現場ではとても重要視 されて おり、これが無いと「非科学的」と

    されます。

    醒脳開穴法は、誰が行っても一定以上の同じ

    効果が 得られるように、使うツボが規範化

    されています。

    したがって、訓練を積んだ先生であれば、

    同じ様な 効果を出す事ができます。

2.標準化された刺激量
  • 鍼の刺激量は、大量の臨床研究と基礎研究を元に決定されております。臨床で施術者がこれを遵守すれば高い効果が得られます。
3.選穴の規範化
  • 脳卒中の後遺症には、片麻痺、嚥下障害、

    排尿障害などさまざまなものがあり、

    患者様によって現れる症状も異なります。

    醒脳開竅法では、それぞれの症状に適した

    ツボが決まっています。

    例えば、頭の後ろにある、天柱、風池と

    いうツボに鍼を刺すと、脳の血流量が増加

    することがドップラーという機械を用いた

    研究によって明らかになっております。

    この様に、使用するツボはしっかりとした

    根拠に基づいて選穴されております。

臨床研究

天津中医薬大学第一付属医院で“醒脳開竅”鍼法で治療を行った中風患者9005例
(脳出血3077例、脳梗塞5928例)では、総有効率が98.56%という結果が出ております。

脳卒中患者9005例に対する醒脳開竅法の効果

脳卒中患者9005例に対する醒脳開竅法の効果

Clinical Research on the Treatment of 9005 Cases of Apoplexy with Acupuncture Method of Sharpening Mind and Inducing Consciousness. Guiding Journal of TCM , January 2005 11(1)3-5.

醒脳開竅法は数十年に渡り発展し続けております。醒脳開竅法は多くの臨床研究や基礎研究で効果が証明され、現在も世界中で広く普及しております。

醒脳開竅Plus

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醒脳開竅法に、中国天津中医薬大学教授で、中国中西結合医神経科のトップである韓景献教授が考案された“三焦鍼法”を加えた治療法が醒脳開竅 Plusです。

あらゆる病気や、身体の不調は老化が原因で起こります。三焦鍼法は「抗老化=アンチエイジング」効果がある事が、多くの基礎研究と臨床研究でその効果が実証されております。当施設では「醒脳開竅法」と「三焦鍼法」をかけ合わせる事で、自己治癒力を高め、より高い治療効果が得られる施術を行っております。

肩こりや腰痛など一般的な症状はもちろん、パーキンソン病や多系統萎縮、顔面神経麻痺など、脳梗塞の後遺症以外にも様々な症状・お悩みに対応致します。

まずはお気軽にご相談ください。

疾患別の鍼治療について

  • 「うつ」について

    うつについて

    脳卒中を発症した後の約20~40%の方にうつ病の発症がみられます。

    <症状>
    脳卒中後のうつ状態の初期症状として比較的よく見られるものは、頭痛、めまい、しびれ、不眠、倦怠感などの自覚症状の出現です。典型的には、脳卒中から1ヶ月を過ぎ、片麻痺などの神経症状が次第に安定期に入り、家庭や職場に復帰し、あるいはリハビリをしだしてしばらくしてから起こってきます。患者さん本人が上記のことを訴えられたり、家族の方が自宅や仕事場での日常生活で、趣味に対する興味や活動性が減って何となく元気がないことや、これまで行えていた仕事や作業がはかどらず手に付かない状態に気づかれます。患者さん本人との話の中では、不安感や集中力低下を認め、進行例では「何をするにもおっくうで考えがまとまらない」と訴え、重症の場合は抑うつ気分(憂うつで落ち込んだ気分、悲哀感)や興味、喜びの低下がみられたり、無表情でボッーとしている状態となる場合もあります。しかし、一般的なうつ病と違い、罪悪感や自殺を考えることは少なく、一日のうちでの変動は殆どないとされています。
    <原因>
    脳出血や脳梗塞などの病気では、脳の血管が障害されるのですが、このとき前頭葉といわれる感情や気持ちのコントロールをする部分が影響を受けて、抑うつ状態が現れることがあります。そして、これに脳卒中を起こしたことによる生活環境上のストレスが加わるとうつ病が発症するといわれています。脳卒中後に起こりやすい生活上のストレス要因としては以下のことがあります。 ・からだの機能が障害されることによって、これまでの生活の中であたりまえのように できていたことができなくなったことによる苛立ち ・療養環境や介護者との関係などの生活上の要因 ・職場復帰の問題などの社会的要因 脳卒中後のうつ病の発症には、これらの要因が複雑に絡み合っています。 脳卒中後に発症するうつ病の特徴として、抑うつ気分よりは意欲の低下や活動性の減退(ほとんど活動や行動などしたがらない様子)が目立ちます。また、うつ病に特有の1日のうちでの気分の変動(朝悪く、夕方に回復してくる)はほとんどみられません。 脳卒中後のうつ病は高頻度で発症しているにもかかわらず、なかなか気づかれにくいのが現状です。それは、脳卒中後にみられる抑うつ症状が、このような重大な病気を起こしたことによる心理的反応だと考えられがちであること、また、脳卒中後のうつ病でみられる意欲や活動性の減退といった症状は、脳卒中後には一般的にみられる症状であるため、病気による症状の1つであると考えられてしまうためです。  脳卒中のあとで、意欲の低下などの気分的な変化が続くようであれば、積極的にうつ病の発症を疑い、うつ病の可能性があれば早期に治療に取り組むことが大切です。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    東洋医学の古典では「郁証(うつしょう)」と言われ、鍼灸や漢方薬の効果について記載されています。鍼治療による効果は大きく分けて2つあります。 ①自律神経の調整 ②根本原因である脳卒中の治療 鍼治療で①②の効果を出す事で、うつ症状の改善が期待できます。また、リハビリを受けたりいろんな方と交流することで気持ちが楽になったり、前向きにリハビリを受けれられるようになったりします。 現在も中国では脳卒中後のうつ症状に対する鍼の研究が多く行われており、その有効性が確認されています。 参考文献:刘涛、韩景献. 益气调血,扶本培元针法治疗中风后抑郁30例[J]. 陕西中医,2013,34(1):68-70.

  • 「てんかん」について

    てんかんについて

    脳卒中は高齢者のてんかんの原因としてもっとも多く、また、脳卒中後の合併症としても非常に重要なものと考えられています。さらに、脳卒中後てんかんを発症した症例はその後抗てんかん薬治療を行った場合でも、てんかん発作の再発を繰り返す例も少なくありません。

    <症状>
    てんかん発作には細かく分けるといくつかの分類がなされます。大きく分けると「全般発作」と「部分発作」に分類されます。 症状が重い場合は、突然意識を失い白目を向き、泡を吹いて全身に痙攣を起こします。多くの場合は数分で自然に収まります。ただし発作時に倒れこむことが多いため、外傷を伴うことがあります。軽い場合には意識はあり、体の一部が痙攣を起こします。しかし症状は多様であり、脱力したり問いかけに反応しなくなったりする場合もあります。

    脳の障害ですので決まりきった症状がでるという疾患ではないため、患者により症状が異なるのです。また一度発作を起こすとその日のうちに連続して発作を繰り返すことが多いと言われています。

    ※てんかん重積状態

    大発作や小発作などのてんかん発作が連続して起こる状態です。大発作てんかんを繰り返す場合は呼吸不全などを起こし死に至ることもあるので、早期の救命措置が必要となります。
    <原因>
    てんかんの原因は人によって様々であり、原因不明なてんかんを「突発性てんかん」、外傷・感染・炎症・腫瘍・脳血管障害・脳の先天奇形・中毒などによって起こるてんかんを「症候性てんかん」と呼びます。従って、脳卒中に発症した場合は「症候性てんかん」になります。本来脳の神経細胞は規則的なリズムで電気的な活動をしていますが、この電気的な活動が突然乱れることで脳の全般、または部分的に過度な電気運動が起こり生じる精神・身体症状をいいます。様々な原因で起こる慢性の脳の病気でもあり、多種多様な症状と検査所見があると言われています。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    脳卒中後のてんかんに対する鍼治療は、まず原因となった脳卒中に対してアプローチします。鍼治療で脳へ送る血流量を増やし、損傷した脳細胞をできるだけ正常な状態へと回復させるよう行います。東洋医学でも「体の中で発生した病理産物が脳に通ずる道を塞ぎ、全身の気や血が脳へ送られなくなると、てんかんを生じる」と考えられています。

    したがって、鍼治療で体の循環機能を回復させることで、てんかん症状が軽減、または治癒できるとされています。

    参考文献:夏凡、付于、韩景献. “益气调血,扶本培元”法治疗癫痫验案[J]. 光明中医 Aug 2010. 25(8):1345-1346.

  • 「パーキンソン症候群」について

    パーキンソン症候群について

    パーキンソン症候群はパーキンソン病と同じような症状を呈しますが、パーキンソン病とは全く異なる疾患です。これらは「パーキンソニズム(パーキンソン症状)」と呼ぶことで、パーキンソン病と区別しています。

    ※ここでは脳梗塞が原因で起こる脳血管性パーキンソニズムについて記載します

    <症状>
    パーキンソン病とは若干症状が異なり、また梗塞部位によって出現する症状が異なります。

    1.症状に左右差がなく、下半身に強くみられる。

    2.振戦(ふるえ)がみられることが少ない(パーキンソン病では静止時に振戦がみられる)

    3.立位時は背筋を伸ばして、直立姿勢をとっていることが多く、歩行時に前傾姿勢が顕著に現れます。(パーキンソン病では立位時、歩行時ともに現れる)

    4.上半身や指先の運動障害や仮面様顔貌(無表情)はさほど目立たない。

    5.歩幅が広く、緩慢でつま先を広げた開脚位歩行となる。

    床から足をほとんど挙げずにすり足となるので、歩行開始時にすくみ現象がみられることもある。

    6. 筋肉のこわばりは高い頻度で出現します。ただし程度は軽いです(歯車様ではなく、鉛管様である)

    7. 発病の初期から姿勢反射障害が顕著にみられる(バランスが悪く転びやすい)。

    8. 脳卒中でみられる症状(認知機能障害、感情失禁、仮性球麻痺、片麻痺、腱反射亢進、バビンスキー徴候など)が合併することが多い。

    9. パーキンソン病治療薬を服用しても効果がない
    <原因>
    脳血管障害性パーキンソニズムは、大脳基底核と呼ばれる場所で脳梗塞が起こる事でもパーキンソ症候群は起こります。

    右図:小さく黒い点が脳梗塞巣

    大脳基底核と呼ばれる所に多発しているのが分かります(赤矢印)
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    パーキンソン症候群の特徴である手足のふるえや、筋肉のこわばりを鍼治療によって軽減させる事で、「患者さんのQOL(生活の質)を上げる」ことを目的としています。

    また、鍼治療には薬の副作用で現れる症状(吐き気や食欲低下など)を軽減させる効果もあります。

    脳卒中の後遺症によるパーキンソニズムにお悩みの方はご気軽にご相談ください。

    参考文献:福田 晋平. パーキンソン病に対する鍼治療の臨床効果に関する研究 ―ランダム化比較試験(RCT)による検討― . 明治国際医療大学誌 6:21-45,2012.

  • 「めまい・耳鳴り・頭痛」について

    めまい・耳鳴り・頭痛について

    めまい・耳鳴り・頭痛は、脳卒中の前ぶれや後遺症としてみられます。

    <めまい>
    めまいとは、まるで自分自身がグルグル回っているように感じたり、地面が揺れているかのようにクラクラする、フラフラするなどの症状が起こるものです。

    めまいは脳梗塞でなくても現れる症状ですが、他の脳梗塞の症状(片側の手足が動きにくい、半身の感覚がおかしい、物が二重に見える、ろれつがまわらない、頭が痛い、意識がもうろうとするなど)と一緒に起こったら、脳梗塞の可能性が高くなります。

    脳卒中に伴うめまいは「フワフワ」した感じのめまいがするという特徴があります。
    <耳鳴り>
    耳鳴りが症状として起こる疾患として、脳梗塞や脳腫瘍があることが知られています。このうち、脳梗塞は、長年の動脈硬化の進行や高血圧などによって脳の血管が次第に硬くなっていき、血栓ができやすくなります。そして、血栓が脳の血流を妨げてしまうと、激しい頭痛、めまい、立ちくらみ、嘔吐、身体の麻痺、手足のしびれなど多彩な症状が現れます。

    一方、脳腫瘍は、その性質の違いによって悪性のものと良性のものとがありますが、特に悪性のものは脳の血管や様々な神経を浸潤してゆくことによって、頭痛の他、目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったりすることがあります。
    <頭痛>
    代表的な頭痛代は緊張型頭痛と片頭痛の二つで、両者であらゆる頭痛の90%以上を占めると言われていますが、命にかかわるものはほとんどありません。

    突然の激しい頭痛

    あらゆる頭痛のうち、最も注意が必要な頭痛とは、脳卒中によって起こるもの、なかでも「くも膜下出血」によるものです。このような「危険な頭痛」は、そうとは知らずに様子をみていると、命にかかわることが多いです。この「くも膜下出血」の頭痛の特徴は、頭痛が「突然に」起こることです。それまでどうもなかったのに急に、「これまで経験したことがない」、あるいは、「バットかハンマーで殴られたような」、突然の激しい頭痛は、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血を強く疑います。そのような場合には、たとえ夜中に痛くなった時でも、朝まで様子を見てはいけません。すぐに医師に相談する必要があります。

    突然のろれつ不全を伴っためまいと頭痛は小脳出血(または梗塞)を疑います。特に、「ろれつが回らない」「めまい」の両方が突然起こった時は危険度が高くなります。
    <鍼灸治療の効果>
    鍼灸の効果

    鍼灸治療を行うことで血流改善・筋緊張の緩和・自律神経が調整され、めまい・耳鳴り・頭痛の症状が改善されます。

    脳卒中の後遺症として現れた場合は、根本原因である脳卒中の治療を行う事で、症状が軽減、治癒していきます。

    参考文献

    许文斌,温明菲,于建春,韩景献. 韩景献教授治疗耳鸣耳聋经验介绍[J]. 上海针灸杂志,Sep,2013,32(9):759-760.

    费 嘉、费裕朗、张 仟. “眩四针”治疗眩晕60例[J]. 陕西中医学院学报,July,2010,33(4):81-82.

  • 「感覚障害」について

    感覚障害について

    脳卒中による感覚障害とは、体の半身の感覚が鈍くなったり、しびれや痛みなど、感覚に関する症状が突然起こることをいいます。

    <症状>
    服がすれるような軽い感覚、温度の感覚、痛みの感覚は「表在感覚」と呼ばれます。

    「痛み」「しびれ」などの皮膚表面の感覚の異常を考える方が多いと思います。脳や脊髄の病気で障害を受け、感覚が低下することも過敏になることもあります。普通に存在している感覚が消えたり強くなったりするので、自覚しやすい症状とも言えます。

    一方で感覚障害とはわかりにくい「深部知覚障害」と呼ばれるものもあります。深部知覚とは、文字通り体の深い感覚です。圧力を感じる、振動を感じる、自分の指の関節の動きを感じるなどが相当します。圧力や振動は何となく理解しやすいかもしれませんが、指の関節を感じるといわれてもピンと来ないかもしれません。

    目をつむった状態で誰かに指を軽くつままれると、正常な感覚があれば容易に判断がつきますが、「深部知覚障害」があると分かりにくくなります。もちろん足にも症状は出ます。ひどくなると地面を踏みしめる感覚が低下します。

    目の機能が正常であれば、周囲の物との距離をはかることができるので、立って歩くこともできます。しかし目をつむると視力による補助が消えてしまうので、バランスがとれなくなります。
    <原因>
    脳卒中により感覚刺激を感じる脳や感覚を伝える経路が障害され起こります。

    感覚に関係する神経は、運動に関係する神経とほとんど同じ経路を通っているので、麻痺などの運動障害が起こると、感覚障害も同時に起こることが多くなります。

    ですから、ほとんどの場合、感覚障害は片麻痺と同じ側に起こります。

    また、脳の梗塞(つまること)を起こした場所や出血を起こした場所によっては、麻痺は起こらず、しびれだけが後遺症として残ることもあります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    鍼灸治療により麻痺独特の痛み・しびれ・圧迫感などの感覚障害が楽になった・脳梗塞後遺症による自律神経失調症が改善された・きちんとした姿勢が保てるようになり、手足のむくみが解消された・クローヌスと呼ばれる足首の緊張による震えが治った・精神障害やうつ症状が軽減された等、多くの症例報告があります。

    脳疾患で死んだ脳細胞は二度と再生しないと言われてきました。しかし、脳に刺激を与え続けると、新たな神経回路が作られるということがわかってきました。つまり、鍼治療により神経へ刺激を与えることで、脳卒中でダメージを受け機能しなくなった神経の代わりとなる新たな神経回路が作られる事で、麻痺、痛み、しびれ、圧迫感などの感覚障害が改善されるのではないかと考えられています

    参考文献

    吴松华,赖聪伟,周拥军. 针灸配合中药治疗后肢体麻木40例临床对照观察[J]. 当代医学, Des,2008,14(24):178-179.

  • 「顔面神経麻痺」について

    顔面神経麻痺について

    顔面神経麻痺は文字通り顔を動かす表情筋へ信号送る神経が何らかの原因によって阻害され、顔の筋肉の動きが麻痺して(主に片方のみ)動かせないことをいいます。顔面神経麻痺は主に中枢性と末梢性に分類されます。

    顔面神経麻痺では、筋肉が麻痺して力が入らなく、正常な方(健側)へ引っ張られるので無表情でのっぺりしているほうが麻痺側になります。

    <末梢性顔面神経麻痺>
    (症状)

    ・額にしわがつくれなくなる

    ・口笛が吹けない、口角下垂、鼻唇溝(鼻の横から口角へかけての溝)の消失

    ・味覚の障害や涙の分泌低下 など

    ・眼が広く開いて閉鎖が困難になる

    ・眼を強く閉じようとすれば眼球が上方に回転して白眼が出る(ベル現象)
    <中枢性顔面神経麻痺>
    (症状)

     ・末梢性顔面神経麻痺と違い、額のしわはつくれる

     ・口笛が吹けない、口角下垂、鼻唇溝の消失などが目立つ

     ・顔面神経麻痺以外の片麻痺など四肢の神経症状を伴うことがほとんど
    <顔面神経麻痺の原因>
    •末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)

    急性発症し原因が不明なものをベル麻痺と呼び、最も多くみられます。全体の顔面神経麻痺の 65% 前後を占めるとされています。単純ヘルペスウイルスの関与や顔面神経の栄養血管が何らかの原因で貧血、低酸素状態になり、顔面神経に浮腫(膨張)がおこるために麻痺が発生すると考えられています。また、寒冷刺激による循環不全やストレスが原因と考えられます。男女を問わず、特定の季節に関係なく発症します。

    •中枢性顔面神経麻痺は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で、前兆のひとつです。

    突然の顔半分の麻痺やしびれ、うまく口が閉じることができないなどの症状が起これば、脳梗塞など脳血管障害を疑い、早急に救急車を呼び対応することがカギとなります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    顔面神経麻痺は個人差、時期、症状の度合いにもよりますが、 鍼灸治療は有効な治療方法の一つとなります。

    脳卒中が原因の顔面神経麻痺は、根本原因である脳卒中の治療を行う事で、症状が減少、または治癒していきます。鍼灸治療によって、自律神経の働きを活性化することで流れの悪くなった血流を改善し、顔面神経及び表情筋を刺激することで、麻痺を改善する効果が期待できます。

    参考文献

    杨军雄,张建平,于建春,韩景献. 三焦针法结合药物罐治疗面肌痉挛的疗效研究[J].Chinese General Practice, July,2013,16(7):2304-2306.

    若山 育郎 等. 病院医療における鍼灸ー現代における鍼灸の役割を考えるー. 日東医誌,2008 59(4):651-666.

  • 「肩手症候群」について

    肩手症候群について

    肩手症候群とは、肩と手に痛みとともに動かしにくさがり、手の腫れ、色素異常、熱感がみられ、その症状はさまざまです。この症候群は、脳卒中片麻痺患者の肩の痛みの原因の一つでもあります。

    一般的には、はじめに肩の痛み、次に手や手首に痛みが生じるといわれています。しばしば肩関節や手の関節に関節可動域の減少がみられますが、一方で肘関節にはその影響はみられないことも特徴といえます。

    <症状>
    症状には、3つの段階があります。

    ・第1段階

    手に突然の広範囲にわたる腫れ(浮腫)と手の甲の圧痛、それに手の血管が狭窄するために手が青白くなることから始まります。

    肩と手は特に動かすと痛みます。手のX線画像では、ところどころに骨密度の減少した領域(骨粗しょう症)が認められます。

    ・第2段階

    手の腫れと圧痛が軽くなるのが特徴です。手の痛みも軽度です。

    ・第3段階

    腫れ、圧痛、痛みは消失しますが、手の動きは制限されます。

    指がこわばってかぎ爪状になり、指が固まったように動かしにくい症状がみられます。

    この段階のX線画像では、しばしば広範囲にわたる骨密度の減少が認められます。
    <原因>
    肩手症候群の原因は今のところ不明です。しかし、肩手症候群には特定の誘発要因があって、その進行に段階があることが知られています。

    誘発要因

    肩手症候群は、下記のような誘発要因によって発症するようです。

    ・脳梗塞後の肩の亜脱臼から拘縮

    ・頸部、体幹部の外傷だけではなく、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症などでも起こる

    ・外傷 (転倒して手をついたときなどに起こる手首の骨折=コーレス骨折)

    ・心筋梗塞、脳卒中、胃潰瘍などの大患の有痛性疾患

    ・脳血管障害後

    ・バルビツレート(鎮痛薬、静脈麻酔薬、抗てんかん薬)などの一部の薬の使用
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    脳卒中後に生じる麻痺側の痛みがあるということはリハビリができないだけでなく、それにより生活の質を低下させるなど深刻な影響を患者さんに与えます。

    鍼灸治療によって、自律神経の働きを活性化することで流れの悪くなった皮膚血流の改善、疼痛の改善、関節拘縮や関節機能不全の改善がみられます。

  • 「言語障害」について

    言語障害について

    脳梗塞の言語障害とは、声が出しにくい、ろれつがうまく回らない、他人の言葉がうまく理解できない、思っていることをうまく言葉にできないなどがあります。

    脳神経症状の 1つである言語障害は、言語に関する機能を支配している部分に損傷を受けることでおこる「失語症」と、口の周りや口の中が麻痺してスムーズに話すことができなくなる「構音障害」の2つがあります。

    <失語症>
    失語症とは、脳にある言語中枢に障害が起こると発症します。話すことや、言葉を理解する、聞く、読む、などの言語に関することの全てがうまくできなくなります。たいていの人は、言語中枢は左脳にあるので、左脳に梗塞や出血が起こると、失語症になることがあります。

    失語症には、「運動性失語(ブローカ失語)」、「感覚性失語(ウェルニッケ失語)」、「健忘失語」、「伝導失語」、「全失語」、があります。

    ① 運動性失語とは、相手の話していることを理解することはできても、それに対して思った通りに話せなくなる症状です。主に発音がうまくできなくなります。

    ②感覚性失語とは、話すことはできますが、相手の話していることが理解することができないために、的はずれなことを答えてしまう症状です。

    ③ 健忘失語とは、聞いて理解する力はしっかりあるが、言葉がうまく思い出せないため、回りくどい言い方や話し方になってしまう症状です。

    ④ 伝導失語とは、聞いて理解する力はしっかりあるが、錯語(さくご)が多くなってしまいます。錯語とは、言葉を言い間違えることで、「めがね」を「めがめ」というように言い間違えたり、「めがね」を「とけい」などの他の単語に言い間違えてしまったりする症状です。

    ⑤全失語とは、重度の失語症で、「聞く・話す・読む・書く」などを意味のある言葉で表現することがほとんどできない、もしくは無言になる状態です。聞いて理解する能力に関しては、ほとんど失ってしまう重度な場合からある程度は保たれている場合まで様々です。
    <構音障害>
    話すことに関する筋肉の運動障害のことです。顔の筋肉、唇、口の中などの言葉を話すための筋肉が麻痺してうまく話せなくなります。

    ただ、失語症とは違い、言語中枢が損傷しているわけではないので、言葉を理解したり、文字を書いたり、本を読んだりすることはできます。

    ① 弛緩性構音障害とは、相手の話していることを理解して、それに対して答えることができるのですが、舌が回らないためにうまく話すことができない症状です。この症状は脳の大脳や脳幹が障害されると起こります。

    ②失調性構音障害とは、話をしたときに、リズムが乱れる、つっかえる、繰り返しの言葉がうまく言えない、などの症状が起こるものです。小脳に障害が起こると見られます。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    言語障害は東洋医学では「喑痱(いんひ)」「風喑(ふういん)」「風懿(ふうい)」と言われています。東洋医学の古典にも記載されており、昔から鍼治療や漢方治療の対象とされていました。鍼灸治療によって脳卒中で損傷された言語中枢への血流が改善されることで、発声発語に関わる神経や筋肉の回復を促し、言語障害が改善されスムーズに話せるようになります。

    参考文献

    蔡斐,谷文龙,石学敏. “醒脑开窍”针法治疗脑梗死后失语的临床疗效观察[J]. 天津中医药,2014,31(5):272-274.

  • 「高血圧」について

    高血圧について

    脳卒中の危険因子には、高血圧、糖尿病、心疾患、高脂血症、喫煙などさまざまなものがあげられますが、この中で最も危険だといわれる原因は「高血圧」です。

    厚生労働省の調査によると、収縮期血圧が140~159mmHgの軽症(Ⅰ度)高血圧の人では、脳卒中により死亡する危険度が理想的な血圧(110~119mmHg)の約3倍になります。収縮期血圧が180mmHg以上の重症(Ⅲ度)高血圧になると、この危険度は7倍以上にもなります。

    <症状>
    一般に、高血圧自体が何らかの症状を引き起こすことはないと考えられていますが、軽度の頭痛、頭重感や倦怠感けんたいかんなどを訴えることがよくあります。これらの症状と血圧の因果関係は明らかではありません。

    ただし、放置すると致命的になる状態の高血圧(高血圧緊急症)では、激しい頭痛、意識障害、けいれん発作、呼吸困難など重い症状を示します。このような状態では、通常、最低血圧が120mmHgを超えています。

    また、高血圧を放っておくと動脈硬化が進行し、さまざまな合併症を引き起こします。動脈硬化とはまさに、動脈がカチカチに硬くなること。その結果、血管が狭くもろくなり、血液の流れが悪くなって、脳出血や脳梗塞の発症リスクが高くなります。
    <原因>
    高血圧は、原因により「一次性高血圧」と「二次性高血圧」に分類されます。「一次性高血圧」は、「本態性高血圧」とも呼ばれ、特に明らかな異常がないのに血圧が高くなります。ただし、血圧を上げる要因は明らかにされています。食塩のとりすぎ、加齢による血管の老化、ストレス、過労、運動不足、肥満、そして遺伝的要因などがあげられています。一方、「二次性高血圧」は、腎臓病やホルモン異常など、原因となる病気があるものを言います。こちらは、原因となる病気が治ると、高血圧も改善します。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    国内外で高血圧に対する鍼治療の研究は多く行われています。明治国際医療大学の廣 正基 氏らが行った研究では、週1回の鍼治療で2カ月間行ったところ 「24 時間の平均血圧」「昼間血圧」「夜間血圧」のすべてにおいて高血圧患者群のみで血圧が下がり、鍼灸治療は正常範囲から逸脱した血圧(高血圧や低血圧)の場合に特異的に作用することが明らかになりました。

    参考文献

    廣 正基,矢野 忠:自由行動下血圧測定(ABPM)からみた高齢者の血圧に及ぼす鍼治療の 効果.日本温泉気候物理医学会雑誌 , 2007;70(3):155-164.

    齐 丹,张春红,石学敏. 针灸治疗高血压病的临床疗效简述[J]. 中国民族民间医药,Aug,2010,160-162.

  • 「坐骨神経痛」について

    坐骨神経痛について

    坐骨神経痛は腰から足にかけて伸びている「坐骨神経」がさまざまな原因によって圧迫・刺激されることであらわれる、痛みやしびれなどの症状のことです。

    <症状>
    坐骨神経痛はお尻や太もも、ふくらはぎ、足にかけて、鋭い痛みやしびれ、ふくらはぎの張り、冷感や灼熱感、締めつけ感などの症状があらわれます。 こうした症状は、足の一部分だけに強く感じることもあれば、足全体に強く感じる場合もあります。

    ・いつもお尻に痛み、しびれがある

    ・足だけではなく、腰にも痛みがある

    ・痛みやしびれ以外に冷感やだるさ、灼熱感(チリチリと焼けるような痛み)がある
    <原因>
    様々な原因がありますが、脳卒中の後遺症により麻痺がある足に体重を充分にかけにくくなり、健康な足に偏って体重をかけてしまいます。そのためお尻の奥にお尻を横切るようについている筋肉の中を走っている坐骨神経が、圧迫されて起こります。

    また、姿勢が悪くなり背骨に無理な圧力がかかり椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を併発すると坐骨神経痛になります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    鍼治療では、鍼を刺入する刺激によって筋肉や神経へ流れる血液量を増加させ、筋肉の緊張をほぐします。そのため、筋肉の緊張によって圧迫されていた神経への刺激が和らぎ、炎症が抑えられるので、痛みが緩和されます。坐骨神経痛の場合の多くは、全身の筋肉の緊張、特に腰と背中の筋肉の緊張が強いため、その緊張をほぐすことが大切です。

    参考文献

    井上基浩、北条達也 等. 根性坐骨神経痛に対する神経根通電療法の開発とその有効性[J]. 明治鍼灸医学 2002,30:1-8.

  • 「視覚障害」について

    視覚障害について

    脳卒中により脳の視覚中枢や視覚経路が障害されると、見える部分が欠ける「視野(しや)欠損(けっそん)」と、ものが二重に見える「複(ふく)視(し)」という視覚障害が起こる事があります。

    <視野欠損>
    脳梗塞後の視野欠損では、片目、もしくは両眼で見ても視野の左右どちらかの半分しか見えなくなってしまう半盲(はんもう)が起こります。

    脳血管障害によって脳の視覚をつかさどるところ(視覚中枢がある大脳の側頭葉、後頭葉)や、視覚経路が障害されると起こります。例えば、右後頭葉の視覚野に脳梗塞が起こると、左側半分の視野が欠けてしまいます。

    半盲になると、見えない部分にある物に気づかないため、転倒、ケガ、食べ残しなど、日常生活に支障を来します。そこで、うまく眼を動かして、見える側の視野の中に見たいものをもってくるようにリハビリテーションを行います。
    <複視>
    もう一つの視覚障害、脳梗塞後の複視では、両目で見たときに、ものが二重に見えます。しかし、片方の目だけでみると、正常に見えます。

    眼球は左右それぞれに、目を動かす筋肉(外眼筋)が6本ずつ付いています。それらがバランスよく働いて左右の視線をそろえています。この左右の視線のバランスが崩れると、ものが二重に見えてしまいます。

    脳梗塞が起こり、外眼筋(眼球を外側に動かす筋肉)を動かす神経の経路に障害が起こると、どちらかの目を動かすことが出来なくなり、左右の視線のバランスが崩れるため、ものが二重に見えてしまいます。複視があると、階段の段差などがわかりにくくなり、転倒の可能性が高くなります。

    麻痺がある方の目を眼帯で隠したり、眼鏡を調整することで、複視を改善することも期待できますので、眼科医に相談をしてみましょう。

    ちなみに脳梗塞後にも起こり得る、「半側(はんそく)空間(くうかん)無視(むし)」は、自分が意識して見ている空間の片側を「認識できない」症状で、目からの視覚刺激は大脳に届いているけれども、それを情報として処理できていない状態で高次脳機能障害に分類されます。

    ※高次脳機能とは・・・言語・記憶・思考・行為・学習・注意・判断などの、運動や感覚のような基本的な身体の働きよりも、複雑で高度な脳の働きです。

    高次脳機能障害になると、これらの複雑で高度な脳の働きがうまくいかなくなることで、生活しづらくなります。また脳梗塞・脳出血・くも膜下出血や頭部外傷の後遺症として現れます。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    脳卒中による視野欠損は、脳の視覚を司る場所が損傷する事で発症します。鍼治療により脳への血流量が増加し損部部位が改善されれば、症状も軽減したり治癒したりします。

    参考文献

    徐韬. 针刺治疗中风后偏盲1例[J]. 上海鍼灸, Nov,2011,30(11):782

  • 「小脳失調」について

    小脳失調について

    小脳の障害では、小脳失調(小脳性運動失調)とよばれる特徴的な症状がみられます。

    運動失調とは明らかな麻痺がないにもかかわらず、随意運動(自分の意思で行う運動)や姿勢を正常に保つための協調運動ができない状態のことで、小脳失調では歩行障害、構音障害(断(だん)綴(てつ)性言語)、眼振、四肢・体幹の協調運動障害などがみられます。

    <症状>
    体幹失調・酩酊(めいてい)様歩行

    ・体幹の姿勢保持・運動調節ができないため、立位またはひどくなると座位でも体幹の動揺がみられます。

    ・歩くときには両足を開き、体幹を揺らしながら不安定に歩く。酔ったようにみえるため、酩酊歩行といわれます。

    小脳性構音障害

    ・発声に必要な喉頭筋群などの協調運動が障害されるため、酔っぱらったような、数語ずつ、とぎれとぎれで不明瞭な話し方(断綴性言語)がみられます。

    ・ゆっくりとした話し方(緩徐言語)になり、また音の大きさを調節できず、突然大声になる爆弾性言語がみられることもあります。

    測定障害

    ・測定障害とは、手足などを目標に正しくもっていくことができず、ずれてしまう症状をいいます。

    ・小脳障害では測定が過大となり、手足が目標物を越えてしまう症状がみられます。

    運動の分解

    ・運動の分解とは、複数の筋が協調してスムーズに動くことができず、ばらばらになってしまう状態をいいます。

    変換運動障害

    ・変換運動障害とは、ある動きからそれに拮抗する逆の動き(腕を回す運動や、腕を曲げ伸ばしする運動)への変換がスムーズにできないことをいいます。

    企図(きと)振戦(しんせん)

    ・企図振戦とは、手や足などを目標などに近づけようとしたときに生じる、不規則でふるえることです。

    ・目標に近づくほど、ふるえが大きくなります(運動終期振戦)

    注視(ちゅうし)方向性眼振(ほうこうせいがんしん)

    ・注視方向性眼振とは、視線をある方向に固定したときに生じる眼の揺れです。

    ・眼振の方向(眼球が急速に動く方向)は、注視した方向となります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    鍼灸の効果として、四肢・体幹の協調運動障害の改善、言語障害の改善(発音が明瞭化される)が知られています。鍼を刺すことにより、全身の筋肉が緩まり、脳へ行く血管が拡張し、その結果として脳内への血流量が改善されます。また、四肢・体幹に鍼を刺すことにより、その刺激が脳に伝わり脳から四肢・体幹に伝わり、運動機能が改善されることが明らかとなっています(促通効果)。

    参考文献

    尚雪梅,朱海亮,曲由,于建春. 韩景献教授针刺配合中药治疗橄榄脑桥小脑萎缩1例[J].新中医, Des,2011,43(12):165-166.

    王元, 韩景献. 针药并用治疗多系统萎缩[J]. 内蒙古中医药,2013,16:64-65.

  • 「心疾患(心房細動、不整脈)」について

    心疾患(心房細動、不整脈)について

    心疾患は心臓で起こる病気で、脳から離れていますが脳梗塞などと深く関係があります。心房細動という不整脈によって心臓の内部にできた血栓が脳の血管まで流れて、脳の血管を塞ぎ、心原性脳梗塞(脳卒中)を起こします。

    心房細動があると、心房細動がない人より、3~5倍、脳梗塞になりやすくなります。また、心原性脳梗塞は、脳出血と同様、発症早期に亡くなる人が多く、とても危険な病気です(脳出血の約15%占め、また心原性脳梗塞の約13%が急性期に亡くなる)。

    <症状>
    心房細動が新たに始まる時には、突然始まる動悸として自覚されることが多いようです。胸がもやもやする、胸が躍(おど)るようだ、あるいは胸が痛い、めまいがする、というように感じることもあるようです。心房細動からの脳梗塞は抗凝固薬を飲むことで、発症を3分の1に減らすことができます。脈の不整を感じたら心電図をとってもらうこと、心房細動と診断されたら抗凝固薬の内服の必要性を主治医とよく相談することが大切です。
    <原因>
    正常な心臓のリズムは、安静時に規則的に1分間で60回~100回拍動します。しかし心房細動になると心房の拍動数は1分間で300回以上になり、心臓は速く不規則に拍動します。心房細動は加齢のほかに高血圧、拡張型心筋症や心肥大等の心疾患によって引き起こされることがあります。その他の原因としては飲酒や喫煙、過労、ストレス、暴飲暴食、睡眠不足など不規則な生活等も原因であるといわれています。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    心臓は自律神経によって支配されています。鍼治療には自律神経を調える働きがあり、過度に興奮した心臓を制御したり、動悸を軽減させる効果が多くの研究によって確認されています。

    参考文献

    曹建萍. 近10年针灸治疗冠心病临床研究概况[J].中国针灸,Jan,2001,21(1):57-60.

  • 「糖尿病」について

    糖尿病について

    糖尿病とはインスリンという血糖値を下げるホルモンの作用が低下したため、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されず、血液中のブトウ糖濃度(血糖値)が高くなります。これを高血糖といい、この状態が継続するのが糖尿病です。

    インスリンの作用不足には、膵臓のインスリンの生成、分泌能力が低下してしまう場合と、インスリンに対する細胞の感受性が悪くなる場合の二つの原因があります。

    また糖尿病は血栓ができやすく、動脈硬化や脳梗塞の危険因子のひとつでもあります。

    <症状>
    成人に多い糖尿病(2型糖尿病)では多くの場合、無症状で始まります。この無症状の時期に糖尿病を発見することが重要です。

    糖尿病がひどくなると尿が多くなる、のどが渇く、お腹がすく、体重が減る、疲れやすい、手足のこむらがえり(足がつる)等の症状が出ます。時には意識障害(糖尿病昏睡)となることも有ります。
    <3大合併症>
    自覚症状がないからと糖尿病を放置していると、高血糖は全身のさまざまな臓器を障害します。とくにおかされやすいのは、神経と血管を中心とした臓器で、神経障害、眼球の網膜に出血する網膜症、腎臓の機能が低下する腎症の3つが起こりやすく、これを3大合併症と呼んでいます。

    1.神経障害

    糖尿病神経障害は、高血糖により、手足の神経に異常をきたし、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる合併症です。

    これらは、手袋や靴下で覆われる部分に、“左右対称”にあらわれる特徴があります。慢性的な痛みに変わる方や、進行して知覚が低下し足の潰瘍や壊疽となる方もいます。

    2.網膜症

    糖尿病網膜症は、高血糖により、眼の網膜にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。

    進行してしまうと失明に至ります。

    3.腎症

    糖尿病腎症は、高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。

    進行すると、老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が失われてしまうため、最終的に透析導入を要することになります。
    <糖尿病の分類>
    1型糖尿病と2型糖尿病について

    ・1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)

    1)比較的急激に発病する事が多い。(急に多尿、のどの渇き、やせが出現します。)

    2)幼児期から青年期に発症することが多いとされますが、高齢者も含めあらゆる年齢で発症します。

    3)日本人の糖尿病患者さんのうち約3~5%が1型と言われています。

    4)膵臓のインスリンをつくっている細胞がこわされ、最終的にはインスリンがほとんどつくられない状態になります。

    5)インスリン注射をしないと昏睡に陥ってしまい、死亡することがあります。

    2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)

    1)一般に徐々に血糖が上がり、無症状の時期が長い糖尿病です。

    2)成人に多い糖尿病ですが、食生活の変化に伴い最近では小児にも見かけます。

    3)日本人の糖尿病患者さんのうち約95%が、2型糖尿病です。

    4)糖尿病になりやすい素質をもっている人に肥満、アルコール、精神的ストレス、加齢などの誘因が加わって発症します。

    5)治療の基本は食事療法と運動療法です。

    6)内服薬により治療出来ますが、インスリン療法を必要とする場合もあります。(内服薬で血糖値の下がらない人は、インスリン治療が必要です。)
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    鍼治療による、インスリン分泌の増加、血糖値の減少作用が多くの研究で証明されています。

    また近年、糖尿病の第4の合併症として脳卒中があげられるようになりました。糖尿病を治療する事は、脳卒中のリスク軽減、つまり“予防”につながります。

    参考文献

    孙伊平. 盘龙针刺颈夹脊穴为主治疗糖尿病合并中风后遗症的临床研究[J]. 中国老年保健医学,2014,12(1):93-94.

  • 「脳血管性認知症」について

    脳血管性認知症について

    脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を起こした後、その 後遺症として認知症を発症することがあります。

    <症状>
    脳血管障害の発作に伴って発症するため、徐々に悪くなるアルツハイマー型認知症に対し、脳血管性認知症は発作が繰り返されるたびに病状が段階的に悪化していくという経過を辿ります。

    高血圧、糖尿病、心疾患など脳血管障害の危険因子を持っていることが多く、また障害された部位によって症状が異なるため、歩行障害、手足の麻痺、ろれつが回りにくい、パーキンソン症状、転びやすい、排尿障害(頻尿、尿失禁など)、抑うつ、感情失禁(感情をコントロールできず、ちょっとしたことで泣いたり、怒ったりする)、夜間せん妄(夜になると意識レベルが低下して別人のような言動をする)などの症状が早期からみられることもしばしばあります。

    さらに記憶力が低下している一方で理解力や判断力、人格はしっかりと保たれているといった「まだら認知症」がみられるのも特徴です。

    原因となっている脳血管障害に対する早期治療とリハビリを行えば、認知症の症状をある一定のところで抑えることも可能です。
    <原因>
    脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで、患者が多いとされている認知症です。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの、脳の血管の病気によって、脳の血管が詰まったり出血したりし、脳の細胞に酸素が送られなくなるため、神経細胞が死んでしまい認知症が起こります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    脳血管性認知症は脳卒中の治療を行う事で、症状の改善がみられます。鍼治療が脳の血流量を増加させる事、脳の代謝を向上させる事が、これまでの研究で明らかになっています。

    東洋医学では、脳血管性認知症は老化によって体内の気や血が少なくなって、脳を滋養出来ないことで発症すると考えられています。当院では、天津中薬大学第一附属医院主任医師・韓景献教授が考案した“三焦鍼法”を用いた鍼治療を行っており、多くの研究でその効果は実証されています。

    なお、脳血管障害の原因には必ず脳の動脈硬化や高血圧が存在し、その下地にはいわゆる生活習慣病(高脂血症や糖尿病、心臓病など)が潜んでいます。そのため、脳血管性認知症の予防には生活習慣病の予防同様にバランスのとれた食生活や適度の運動、肥満予防、飲酒や喫煙の抑制、精神的ストレスの緩和など鍼灸治療と併用して予防に努めることが重要です。

    参考文献

    于涛,石江伟,韩景献. 针刺治疗轻中度血管性痴呆临床观察[J]. 辽宁中医,2007,34(7):978-980.

    韩景献(2010). 血管性痴呆证候“益气调血扶本培元”针效及对葡萄糖代谢影响研究.

  • 「排尿・排便障害」について

    排尿・排便障害について

    脳卒中後遺症の一つに「排尿障害」「排便障害」があります。脳卒中をきっかけとして発症しますが、原因は大脳が排尿反射をうまくコントロールできなくなったために起こります。

    <尿失禁>
    脳梗塞によって、排尿をコントロールしている大脳や脳幹が障害を受けると、尿意を感じなかったり、排尿を我慢できなくなったりするため、頻尿や尿失禁が起こります。

    また、運動麻痺によりトイレまでの移乗や移動動作、排尿動作に時間がかかる場合や、記憶障害によりトイレの場所を忘れてしまった場合にも尿失禁が起きることがあります。

    ◆排尿のコントロールはこのような仕組みです。

    一定の尿が膀胱にたまると(150~200ml)、膀胱の壁が伸びたという刺激が脊髄を通って大脳に伝わり、「尿意」を感じます。この時点では、膀胱は緩み、膀胱の下の部分と尿道は縮んでいるので、排尿を我慢することができます。

    尿意を感じて大脳で「排尿の準備が整った」と判断されると、脳幹から「排尿してよい」という刺激が出ます。脳幹からの刺激は脊髄を通って、膀胱に届き、膀胱を収縮させ、膀胱の下の部分と尿道が緩むため、排尿ができます。

    排尿はこのように、大脳や脳幹でコントロールされていますが、脳梗塞によって、大脳や脳幹が障害を受けると、尿意を感じなかったり、排尿を我慢できなくなったりしまうのです。

    排尿を我慢できない場合には「抗コリン薬」という、膀胱の活動を少し押さえて、排尿までの間、我慢できるようにする薬を使います。

    また尿意を訴えられない人や、排尿パターンがはっきりしない人には定時排尿誘導、ある程度我慢できる人には食事の後などに排尿を習慣化する誘導なども有効です。
    <便失禁>
    脳梗塞を起こすと、便意を感じない、または肛門を自分の意志でしめて我慢することができない、いきめないなどから、排便障害を起こすことがあります。

    ◆排便は次のようなメカニズムで起こっています。

    直腸に便がたまると、直腸の壁が押されて伸び、その刺激が脊髄の排便中枢を介して大脳に伝わり、「便意」を感じます。

    便意が起こると、腹筋を収縮させ(いきむことで)、便を押し下げ、肛門の内肛門括約筋と外肛門括約筋をゆるませて、体外に便を排出します。

    便意を感じ、肛門の近くまで便が降りてくると内肛門括約筋はゆるみますが、外肛門括約筋を自分の意志でしめて便をもれないようにしています。脳梗塞によって身体に麻痺が起こると、外肛門括約筋を自分の意志でしめることが出来なくなり、便失禁を起こすことがあります。

    脳梗塞の後遺症で、大脳に刺激が伝わらず、「便意」を感じないことがあります。そのため、便秘を起こしやすくなります。また、麻痺があると、腹圧をかける(いきむ)ことが難しくなるために、便秘になることもあります。

    【原因】

    ・大脳で直腸からの刺激を感じなくなる「便意の鈍麻」

    ・麻痺による「いきむ力の低下」

    ・外肛門括約筋をしめることができない「便失禁」

    それ以外の脳梗塞後の排便障害を悪化させる要因は下記にあります。

    ・また摂食障害や食事内容の偏りによる、消化吸収機能の低下

    ・寝たきりによる起立性大腸反射の低下による、腸の蠕動運動の低下

    ・仰臥位での排泄による、腹圧のかかりづらい排便姿勢

    【対策】

    1)食事の見直し

    食事量の確保、適切な量の水分摂取(食事以外に1500ml)、食物繊維を多く含む食材の摂取することで消化吸収機能を向上させます。

    2)腸の働きの促進する

    朝に身体を起こすこと、腹部・腰部温罨法、腹部マッサージ、排便体操を行う(身体をねじる、腹式呼吸、腹部に力を入れるなど)

    ※腰背部温罨法については、皮膚への刺激が大脳だけでなく自律神経にも伝わり、支配している臓器の動きに作用する「体性―内臓反射」を促せることが解っています。また、温めることで心地よい感覚が得られることで、副交感神経系の活動が高まり、腸の動きが促進されることも、排便に影響があると考えられています。

    3)トイレ誘導の推進

    適切な誘導のタイミングの見極め、排便習慣をつけましょう。

    4)排便姿勢の確保

    トイレに座ったときに、足が床にしっかりつきやや前傾になると、排便反射が起こりやすく腹圧(いきみ)がかかりやすくなります。

    朝、身体を起こすと腸の運動が促され(起立反射)、飲食をすることで腸の運動が更に促進されます。(胃反射)

    朝コップ一杯の水を飲むことが、便秘によいと言われたり、朝食を食べた後に排便に行きたくなったりするのは、これら反射を起こしやすくするからです。

    朝は、自然な排便のリズムがつきやすいので、朝食は必ずとるようにして、食後にはできるだけ座位で排泄できるような環境を整えることも大切ですね。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    昔から泌尿器系には鍼治療はよく行われていたという報告があり、鍼灸がどのように体に働きかけて効くのかそのメカニズムはまだ未解明な部分が多いのですが、近年は生理学的に鍼灸の効果が解明されつつあります。尿失禁の場合には、自律神経系の反射を介する作用と微小循環系血管の拡張作用から、鍼による刺激が膀胱機能を回復するきっかけになるのでは、と推測されます。つまり、自律神経に影響を及ぼすことで、おしっこが出るしくみを自動的によい方向にもっていくのだろうということです。

    また、東洋医学では「体全体をよくすれば局所の疾患も自らよくなる」という考えがあります。尿失禁も全体症状のひとつの兆候と捉えて証に適した薬剤や漢方薬を処方し、鍼灸では経穴を選定して治療にあたります。

  • 「不眠症」について

    不眠症について

    不眠症とは、長引く入眠困難や睡眠時間、睡眠の質の悪化などが続き、日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの状態が1ヶ月以上続いている状態のことです。

    <不眠症の種類・症状>
    ・入眠障害

    寝つきが悪く、30分以上経っても眠れない。

    ・中途覚醒

    途中で目が覚めて、なかなか寝付けない。

    ・早朝覚醒

    朝早く目が覚めてしまう。

    ・熟眠感欠如

    ぐっすり眠った気がしない。

    これら4つの症状は、組み合わさって起こることもあります。
    <原因>
    睡眠障害の原因は人によってさまざまです。生活習慣を見直すだけで大丈夫な場合や、医師による治療が必要になる場合もあるなど、原因に合わせて対処法も変わってきます。ここでは脳卒中と不眠の関係について記載します。

    1、心理的原因

    何らかのストレスに関連して起こる不眠。

    例)家族や親友の死、仕事上の問題など。

    ◆特に眠れなくなった前後の出来事を、詳しく検討することで、明らかになってくることがあります。

    2、身体的原因

    身体の病気や症状が原因で起こる不眠。

    例)外傷や関節リウマチなどの痛みを伴う疾患。湿疹や蕁麻疹などの痒みを伴う疾患。 喘息発作や頻尿、花粉症など。

    ◆身体的な病気や症状を治療することで、改善されることがあります。

    3、精神医学的原因

    精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつです。

    憂うつな気分が続いたり、これまで楽しかったことが楽しめなかったりするのは、うつ病かもしれません。それが原因で眠れなくなったりします。慢性的な不眠症では、3分の1から半数は、何かしらの精神医学的な疾患を持っているとも言われています。落ち込んだり憂うつな気分が続く時は注意が必要です。

    ◆専門医師に相談して適切な治療が必要な場合があります。

    4、薬理学的原因

    服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠があります。

    代表的な薬には、抗がん剤、自律神経・中枢神経に働く薬、ステロイドなどがあります。

    ◆服用しているお薬、飲酒、喫煙、カフェイン摂取の習慣がないかを確認することが大切です。

    ドリンク剤には意外とカフェインが多く含まれているので注意が必要です。

    5、生理学的原因

    睡眠を妨げる環境による不眠があります。

    海外旅行や出張による時差ボケや、受験勉強や職場の勤務シフトなどによる生活リズムの昼夜逆転など、ライフスタイルが大きく変わると、眠ろうとする機能が低下し、眠る機会が妨げられることがあります。

    ◆先ずは少しでも眠りやすい住環境、例えば就寝前には照明を落とし、起床時には上げるなど、光のコントロールを考えたり、心と体がリラックスできるよう工夫してみましょう。

    脳梗塞の原因として、脳の血管に血栓が出来てしまうことが原因にあげられます。

    不眠症になると、耐糖能(血糖値を正常に保つ)障害、血圧上昇、または交感神経活動亢進を通じて、心血管の健康状態を変化させてしまいます。その結果、血管が弱くなり、血液の壁が破壊され、その出血を止めるために血栓が作られやすくなります。

    血栓は大きくなると、血液の流れを妨げてしまいます。この様に、不眠症になると脳卒中のリスク及び、再発のリスクが高くなるという悪循環に陥ってしまいます。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    東洋医学においては、不眠症は遙か昔より研究がなされ、 その研究期間においても、西洋医学よりもずっと長い歴史を持っているのです。東洋医学では、不眠症に当たる症状は「失眠」あるいは「不寝(ふしん)」と呼ばれ、心と肝のバランスが崩れたときに生じるとされています。

    そして心と肝の乱れは、血液の乱れ、または自律神経の乱れにより、生じるとされています。

    西洋医学における睡眠障害のタイプはさまざまありますが、ほとんどの症状に共通して言えることは、自律神経が乱れていることが挙げられます。自律神経が乱れているために、夜になっても交感神経(活動神経) の働きが強く、副交感神経(睡眠や食事など行う時に働く神経)の働きが弱いため、途中で目覚めたり、早く目覚めたりすることになるのです。

    鍼灸治療は、自律神経を整え、全身の緊張をほぐし、 心身をリラックスさせる大きな効果があります。その結果、良質な睡眠を取ることで、不眠から脳卒中へ至る悪循環を防ぐ事ができます。

    参考文献:Ming-Ping Wu. Insomnia may significantly increase stroke risk [J]. Stroke April 03, 2014.

    杨军雄. 针灸治疗失眠症的临床疗效研究[J]. Chinese General Practice, 2013, 16:466 – 468

  • 「便秘」について

    便秘について

    脳卒中を起こすと、便意を感じない、または肛門を自分の意志でしめて我慢することができない、いきめないなどから、排便障害を起こすことがあります。

    <症状>
    便秘とは一般的に、大腸内の排泄物(便)の通過が遅くなったり、腸内に便が長時間とどまるなど、排便が順調に行われない状態のことをいいます。 排便のない状態が3日程度続いたら、便秘だと思ってよいでしょう。 1日1回、バナナ2本分くらいの排便があるのが理想的です。
    <原因>
    脳卒中と便秘はとても密接に関係しています。

    高血圧の人は、動脈硬化により脳卒中を起こしやすいのですが、高血圧の人は便秘でも脳卒中を起こしやすくなります。ポイントは便秘の時の“いきみ”です。

    便秘の時、強くいきむことで血圧は瞬間的に上昇し、数値にすると、30~40以上も上昇してしまいます。この急上昇は、血管壁が弱くなっている高血圧の方にとっては、脳梗塞を起こす引き金となってしまいます。

    脳卒中後の片麻痺で便秘になるのは

    ①麻痺による運動不足

    ②麻痺によって、食事摂取が困難となって食事摂取量の低下による便の形成の低下

    ③麻痺による精神的ストレス

    ④便意があってもいきむことができない

    ⑤腸の蠕動(ぜんどう)運動をコントロールしている副交感神経の乱れなどによるものです。

    脳卒中後の片麻痺における便秘の解消法は、このような便秘の原因に加えて、長期間にわたる便秘についても考慮する必要があります。
    <便秘薬の使用について>
    脳卒中後の片麻痺における便秘の解消に、便秘薬や下剤の使用は好ましくありません。その理由として、1つには、脳循環薬と便秘薬との薬の飲み合わせです。脳卒中再発予防のために、脳卒中後においても脳循環を改善する薬物療法が続けられますが、複数の薬を同時に使用すると薬の効き目が強くなりすぎたり弱くなる恐れがあります。

    2つ目は、便秘薬の繰り返し使用による効果の消失です。便秘薬は、繰り返し使用することによって、その効果が消失することが知られています。脳卒中後の片麻痺に対するリハビリ治療は長期にわたって続けられますので、その間、便秘も長期にわたることになります。ですので、このような便秘に対する便秘薬の使用は不適当となります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    鍼灸治療ではお腹やさまざまなツボに刺激することで、自律神経の働きを正常な状態に取り戻し、 腸やすい臓などの内臓諸器官の働きを正常に整えることで便意を促し排便をスムーズに行うことができます。

    また、鍼治療により運動機能が回復すると、運動刺激が排便を促すという好循環が生まれます。

    鍼治療と平行して、食物繊維(イヌリンを含む根菜類等)、ビフィズス菌やオイルなど、排便を促す効果がある食べ物を意識して摂取すると、より大きな効果が得られます。

    参考文献

    曹铁民, 孙 燕. 针刺治疗脑卒中后便秘30例[J]. 陕西中医, 2009, 30(2):199-200.

  • 「麻痺(痙性麻痺と弛緩性麻痺)」について

    麻痺(痙性麻痺と弛緩性麻痺)について

    <弛緩性麻痺>
    <原因>

    弛緩性麻痺が起こる原因は脳にダメージを負う場合などがあります。脳がダメージを受ける原因としてはさまざまあり、脳出血や脳溢血、脳梗塞など脳に関わる疾患を発症した場合に併発するケースやその後遺症として症状が出てくるケース。交通事故などの外傷により脳が大きなダメージを受けて運動機能をつかさどる部分に損傷を受けた場合などが原因として挙げられます。

    <症状>

    弛緩性麻痺とは、筋緊張の低下によって生じる麻痺のことを言います。これは、脳血管障害により、脳が損傷を受けた場合の初期段階として、よく現れます。症状は、筋緊張の低下に伴い、関節を動かすことが困難になり、腕を動かしたり、歩行を行うことができなくなってしまいます。重度の場合には、呼吸困難になり、命の危険に関わることがあります。
    <痙性麻痺>
    <原因>

    普段、脳は筋肉が過度に興奮しすぎないようにブレーキをかけています。脳卒中によりこのブレーキがきかなくなると、筋肉が過度に収縮してしまい痙性麻痺となります。

    <症状>

    筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくかったり、勝手に動いてしまいます。

    痙性麻痺では、手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられます。痙性麻痺による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され(これを拘縮といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、痙性麻痺がリハビリテーションの障害となることもあるので、痙性麻痺に対する治療が必要となります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    麻痺に対しての鍼治療の目的は大きく分けて2つあります。

    1つ目は廃用性萎縮の予防です。麻痺によって筋肉が上手く使えなくなると、どんどん萎縮してしまいます。筋肉が萎縮したため、さらに運動機能が低下するといった悪循環に陥るリスクがあります。その予防のために、麻痺をした筋肉に鍼を刺し筋肉を刺激します。

    2つ目は神経の再教育です。脳卒中によって脳からの神経が上手く末梢に届かないために麻痺は起こります。そのため、末梢から鍼を用いて神経に刺激を入れる事で、脳にどの神経を興奮させれば正しく手足を動かせられるかを思い出させます。これを促通効果といいます。

    麻痺に対する鍼灸の効果は、多くの研究でその効果が実証されています。

    参考文献

    石学敏. “醒脑开窍”针刺法治疗中风病9005例临床研究[J]. 中医药导报, Jan, 2005, 11(1):3-5.

  • 「嚥下(えんげ)障害」について

    嚥下(えんげ)障害について

    嚥下障害とは、摂食・嚥下障害ともいい、食べる事・飲み込む事の障害で、うまく食べられない、飲み込めない状態をいいます。

    <症状>
    ・食事中によくむせる(とくに水分でむせることが多く、みそ汁などを避けるようになる)

    ・食事中でなくても突然むせる、咳込む(唾液でむせているもの)

    ・飲み込んだ後も、口腔内に食物が残っている

    ・ご飯より麺類を好むようになったり、咀嚼(そしゃく)力低下などで噛まなくてよいものを好むようになる

    ・食事に時間がかかる

    ・食後に痰が出る

    ・食事をとると声が変わる

    ・食べ物が口からこぼれる   など
    <原因>
    脳血管障害により摂食・嚥下機能をコントロールするところ(脳にある橋と延髄という部位)が障害を受けるためであるといわれています。

    延髄はその形状から「球」と呼ばれ、この部分に障害が起こると「球麻痺」と呼ばれるさまざま症状がみられ、重度の摂食・嚥下障害を生じ嚥下不能になる場合が少なくありません。舌の片側麻痺と萎縮により、咽頭への送り込み障害が起こりますが、その程度は軽度であることが多いです。

    また、嚥下をコントロールする舌咽神経が障害されると嚥下困難が起こります。
    <鍼灸の効果>
    鍼灸の効果

    東洋医学では「中風」「喑痱(いんひ)」と言われ、鍼治療の嚥下障害に対する研究はこれまでに多く行われてきました。

    嚥下動作が障害され薬物療法が困難な方には、鍼治療は誤嚥を防ぐ方法として有効です。鍼治療により嚥下反射の促進や唾液分泌を促すことで、嚥下障害が改善され、誤嚥性肺炎のリスクを減らす効果が多くの研究で明らかになっています。また、鍼治療で根本的な原因である脳卒中が起こった部位の血流を改善させることで、嚥下機能が回復することも分かっています。

    参考文献

    関隆志(2001). 高度の摂食・嚥下障害を伴う脳卒中後遺症患者に 対する針治療に関する臨床研究.東北大学大学院医学系研究科.

    胡新耀、方梅.醒脑开窍针刺法治疗中风后假性球麻痹所致吞咽困难疗效观察[J].Modern Jounal of International Traditional Chinese and Western Medicine 2014 Aug,23(22):2429-2430.